アリス・イン・ゴシックランドⅢ 感想&考察

信じられない.
大英帝国が誇るありとあらゆるスター,キャストたちが一同に介しての”ライトノベル
エンターテイナー達の夢の共演で大興奮!
しかし,彼らを知らない読者でも問題ない.それだけの正当性,いや,”正統性”があるというべきか.
徹底的に作りこまれた世界観.言葉(ルビがしっかりブリティッシュな英語),空気感(実在の人物,実在の舞台),そしてユーモア(イングリッシュジョーク).全ての要素がかの霧の都に通じているから読んでいてすぐにでもロンドンに飛びたくなる.
しかし,ようやくシャーロックの登場でしびれた.何者だよこの男.すげぇ.

恋物語も否応なしにシーンを盛り上がる.最凶刃物系幼女ジル派の私が思わず,最強探偵系妹イグレイン派に寝返りそうになるくらい.

完結……? ありえない.信じられない.非常に残念である.

私が生まれて初めて心酔し,何十回も読み返したSF作家,H.G.ウェルズジェームズ・ボンドなど,本当にかゆいところに手が届く第Ⅲ巻であった.
もう彼らに会えないと考えてしまうと寂しいが,しかし大傑作であったことは私の心にしっかり残った.
未読の方はぜひ一度,この霧散する空気を吸ってもらいたいものである.以上.


タイムマシン (角川文庫)

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