ライトノベルの『厨』のについて 

試験的にコミケに寄稿したライトノベル関連の原稿を修正して載せてみる.
原本全部乗せると買った方に迷惑なので簡易的な更新であることはご遠慮ください.
気になった方はぜひ買ってみてね!
立ち読みはこちらで出来ますよ〜☆
以下本文

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みなさんは「厨」という言葉をご存知だろうか?
これはサブカルチャーでは悪口として揶揄に使われる言葉だが,しかし考えてみると非常に複合的な”心情”が発言者からにじみ出だす良い言葉とも取れると私は思っている.のでネタでライトノベルの”厨”を色々考えてみた.

結果,以下の六種類が存在すると考えられる.これを読んでいるあなたはいくつあてはまるだろうか?

期待厨

―――この作者(絵師・レーベル・編集など)なら間違いないだろう.と期待する人達.根拠もないのに無駄に自信を持っている.

比較厨

―――「ほう,〜〜先生の新作か.少なくとも俺妹以上,IS未満くらいは売れてもらわないとな」
と,作品を評価する上で他の作品をやたらと比較に出す人達.売上だけでなく内容でも比較することが多い.やれ〜〜のほうがエロイとか〜〜のほうがヒロインが可愛いとか.余計なお世話である.

予知厨

―――「やはり俺の目に狂いはなかった」
という台詞を吐くのが定番.主に作者やレーベルなどを対象にあたかもそれがヒットする,もしくはそのイベントが起きる歴史の流れになることを予知していたかのように振舞う.まぁこの業界にはいくつか『お約束』が存在するので簡単な予想は出来たりるするのだが,あまりそれを他人に主張するのはマナーが良くないと思う.ほとんどの読者が慢性的に予知厨である.

初版厨

―――ライトノベルの初版を持っていることを誇りとし,またそれがカッコイイと思っている人達.
実際は初版であることに大してメリットはなく,むしろ誤植などが修正されていないなどのリスクがあるので微妙である.しかし誤植や落丁などは彼らにとっては初版であることのアイデンティティーの一つなので自慢の題材になりやすい.ちなみに筆者は高校の時まさにこの初版厨だった.

古参厨

―――初版厨をこじらせるとこれにランクアップする.
「デビュー当時から俺は目を付けていた」
という台詞を吐くのが定石.ずっと前から作品(作者)を追っていることを妙にアピールしたがる.アニメ化などのメディアミックスの際に大量に沸く.

懐古厨
―――古参厨を長年やるとこれになりやすい.
「昔のラノベはよかった.今は〜〜」
などと言い始めたらもう懐古厨になったと言っていい.現場のライトノベルのニーズはプロのマーケターや編集・作者たちが血を吐きながら探っているものなので基本的に消費者である読者の意見は的はずれなことが多い.大抵は「自分の好み」に世間が合わなくなっただけなのでライトノベルからの卒業も近いかもしれない.


ちなみに全部発症したことあるのが何を隠そう,わたくしりここである.
お後がよろしいようで.