DRAGON BUSTER02 感想&考察

龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)

龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)

今回も月華ちゃんが表紙.
4年待った.前回が北京オリンピックなのに今年はロンドンオリンピックだ,とは誰が言ったか.なんともまぁ洒落が効いている.
多くの絶賛に包まれるべき作品だが,眼を向けるべきは主人公の悲劇性やヒロインの才気ドラマ性だけではない.今回少なくない分量で畫かれた脇役の数々,特に主人公の兄貴分である蓮空や,1巻冒頭を読んでいるからこそ,その身に燃える激しい炎(しかし静かだ)に気付くことの出来る群狗の憐憫にこそ,時代と舞台を呑む”龍”を見て取れる.
いずれにしろ手放しで褒めてしまいそうで自重するが,金庸作品とどうしても比べてしまう自分が憎い.金庸作品と出会う前に読みたかった.
これほどまでに「二巻読まなきゃよかった」が褒め言葉になっている作品も珍しい.ぜひ次は4年後ではなく,もっと早く続きが読みたいものである.