DRAGON BUSTER02 感想&考察
- 作者: 秋山瑞人,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/01/07
- メディア: 文庫
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4年待った.前回が北京オリンピックなのに今年はロンドンオリンピックだ,とは誰が言ったか.なんともまぁ洒落が効いている.
多くの絶賛に包まれるべき作品だが,眼を向けるべきは主人公の悲劇性やヒロインの才気,ドラマ性だけではない.今回少なくない分量で畫かれた脇役の数々,特に主人公の兄貴分である蓮空や,1巻冒頭を読んでいるからこそ,その身に燃える激しい炎(しかし静かだ)に気付くことの出来る群狗の憐憫にこそ,時代と舞台を呑む”龍”を見て取れる.
いずれにしろ手放しで褒めてしまいそうで自重するが,金庸作品とどうしても比べてしまう自分が憎い.金庸作品と出会う前に読みたかった.
これほどまでに「二巻読まなきゃよかった」が褒め言葉になっている作品も珍しい.ぜひ次は4年後ではなく,もっと早く続きが読みたいものである.