桜色の春をこえて 読了 4.00ポイント

桜色の春をこえて (電撃文庫)

桜色の春をこえて (電撃文庫)

手違いで一人暮らし先をなくして途方をなくしていた主人公に,隣人(見た目はガチ不良)の同じ学校の見知らぬ女子生徒の部屋に転がり込む,という波乱で幕を開ける物語.
人と人の距離のとり方は難しい.リアルタイムに測ってすごせるひともいれば,不器用な人もいる.
共通しているのは,それを学ぶ時間が幼少期に用意されている点.
この作品では,二人の女子を主軸に,家族・他人・クラスメイト・友達・親友・恋人など様々な人達との「距離のとり方」が事細かい観察と機微で描ききっているように思える.

大切なものは目にみえないのではなく,近くにありすぎて気が付かないだけ.

ありふれたキーワード,ありふれた展開.
ありふれた絶望,ありふれた希望.

虐待やセクハラなど,重いテーマも彼女らが超えるべき壁でしかないのかもしれない.

桜色の風に吹かれた少女たちの不器用な心の交流をぜひ読んでもらいたいです.
王道にして清々しい読後感でした.


新作だけにつけるランク↓

[ラノワードランク MAXは5]

キャラ    4

イラスト   3

シチュ    5

性癖     2

読後感    5

ストーリー  4

特別枠:大切なことに気が付くことが一番大切だね枠 5  

合計 4.00